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光学薄膜の切断(カット)方法

光学薄膜のカットは、精密さが求められる作業であり、光学デバイスや部品において重要な工程です。光学薄膜は、反射防止コーティングやフィルターなど、光の透過や反射を制御するために使用されます。この薄膜を適切にカットし、精密な形状やサイズに仕上げることが、光学機器の性能に直結します。光学薄膜のカットには、薄さや機能性を損なわないよう、慎重な技術が必要です。安達新産業株式会社では、お客様の御要求に応じて最適なカット方法をご提案致します。

1. 光学薄膜の特徴

光学薄膜は、ガラスや他の基板上に数ナノメートルから数ミクロンの厚さの材料を成膜加工された光学部品です。特徴としては・・
◆非常に薄い
 数ナノメートルのレベルで成膜されるため、非常に薄くデリケートです。
◆多層構造が多い
 反射防止や特定波長の光を制御するために、複数層がから成り立ちます。
◆特定の光学特性を持つ
 光の透過率、反射率、屈折率などが精密にコントロールされています。
 ガラスカット加工時にこれらの特性が維持される必要があります。

以下に代表的なカット方法を記載します。

2. 光学薄膜のカット方法

2.1 スクライブカット

◆特徴
平面ガラス基板にスクライブラインを入れて、そこに力を加えて割る方法です。
シンプルな方法ですが、コンピュータ制御を使用して、精密に光学薄膜をカットが可能です。

◆メリット
・(他の方法と比較し)コストが低く、手軽に実行できる。
・断面が透明

◆用途
精密さが必要な光学デバイスや部品の製造

2.2 ダイシングカット

◆特徴
ダイヤモンドコーティングされたブレードを使用して、薄膜をカットする方法です。
高精度の切断が可能で、ナノメートルオーダーの精密さが求められる光学デバイスの製造に利用されます。

◆メリット
材料に対するストレスが少なく、非常に薄い光学薄膜でも精密にカットできます。

◆用途
特にウェハーレベルの光学部品の製造に適しており、フィルターやセンサーデバイスなどの製造で広く使用されています。

2.3 その他のカット方法

①レーザーカット
レーザー光を使って薄膜を切断する方法で、非接触で精密な加工が可能です。
薄膜の厚さに応じて焦点を調整し、極めて細かい形状やパターンをカットできます。

②ウォータージェットカット
高圧水に研磨剤を混ぜたジェットで光学薄膜を切断する方法です。
非熱的な加工であり、熱による損傷を回避できます。

3. カット時の注意点(全般)

薄膜の損傷: カット時に薄膜が剥がれたり、傷が付いたりしないように注意する。
基板の破損: 基板が割れたり、変形したりしないように注意する。
切断面の精度: 切断面が直角で、バリがないようにする。
コンタミネーション: 切断時に異物が付着しないように注意する。

4.カット方法の選択

最適なカット方法を選ぶためには、製品の用途や精度の要求に応じて選択します。
例えば、高精度が必要な場合、大きな部品や熱に敏感な素材の場合、コスト重視の場合と
それぞれの目的でどれを重視するかにより最適な方法をご提案します。

(項目)
・薄膜の材質(ガラス、プラスチック、金属)厚み、硬さ等
・基板の種類、厚み。
・切断精度
・生産量
・コスト(予算)

上記の情報があると、より適切なご提案が可能です。

光学薄膜のカットは、スクライブカット、ダイシングカット、レーザカット等、精度と品質を重視した技術が求められます。薄膜の特性を損なわず、正確に部品を切り出すために使用され、カット後の研磨や洗浄などの仕上げ工程も、光学的な性能を維持するために重要な技術の一つです。安達新産業株式会社では、お客様の御要求に応じて最適なガラスの切断(カット)方法をご提案致します。