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ガラスパターン加工技術

ガラスパターン加工技術とは、ガラス基板に微細なパターンや構造を形成する技術のことを指します。精密なデバイスや部品を製造するために必要で、半導体、光学、バイオテクノロジー、エネルギー分野などの多くの産業で広く利用されています。主要なガラスパターン加工技術について説明します。

 

1. フォトリソグラフィ(光リソグラフィー)

概要:

半導体製造で広く使用される技術で、ガラス基板上に光を使ってパターンを形成します。
感光性のレジストを塗布し、マスクを介して紫外光などの特定の波長の光を照射し、不要な部分を化学エッチングで除去します。

用途:

マイクロエレクトロニクスやフォトニクスデバイス、フォトマスクの製造など。

2. エッチング

概要:

ガラスの表面に化学薬品(ウェットエッチング)やプラズマ(ドライエッチング)を用いて、
不要な部分を除去してパターンを形成する方法です。
フォトリソグラフィによってレジストで覆われていない部分がエッチングされます。

用途:

フォトニクス、マイクロフルイディクス、光学部品の製造。

安達新産業株式会社では、主に1.2.の手法を用いてパターン加工を行います。

3. レーザー加工

概要:

高精度レーザーを使用してガラスの表面や内部に直接パターンを彫り込む方法です。
レーザーは非常に精密な加工が可能で、曲線や複雑な形状も作成できます。

用途:

ディスプレイ技術、センサー、バイオデバイス、装飾ガラス。

4. インプリントリソグラフィ

概要:

プリント技術を利用して、スタンプやテンプレートをガラス基板に押し付けてパターンを形成する方法です。
この技術は、コスト効率が良く、大面積の加工が可能です。

用途:

ナノインプリント技術により、ソーラーパネルやディスプレイのパターン加工に利用されます。

5. イオンビーム加工

概要:

イオンビームを使ってガラス基板の表面を削る方法です。
非常に精密で、ナノメートル単位の加工が可能です。高解像度のパターン加工が求められる場合に利用されます。

用途:

光学デバイス、精密な電子部品、フォトニクスデバイスの製造。

6. スクリーン印刷

概要:

スクリーンを通してインクをガラス基板に転写する技術で、一般的に比較的粗いパターンを形成します。
大規模生産向けの技術として使用されます。

用途:

タッチパネル、太陽電池、装飾ガラス。

7. 3Dプリント(アディティブマニュファクチャリング)

概要:

ガラス素材を用いた3Dプリント技術で、微細なパターンや複雑な構造を形成できます。
層ごとに材料を積み重ねることで、ガラス基板に複雑な立体パターンを生成します。

用途:

カスタムデバイス、バイオデバイス、光学部品。

まとめ

ガラスパターン加工技術は、微細な構造を精密に制御して形成するために用いられます。用途によって、光リソグラフィやレーザー加工、エッチングなど、様々な技術が選択され、製造の精度やコスト、パターンの複雑さに応じて最適な加工方法が用いられます。この技術は、電子機器、光学、バイオテクノロジー、エネルギー分野など、多岐にわたる産業に不可欠です。

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