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くし型電極を徹底解説!

安達新産業は、成膜加工のなかでもパターン加工に力を入れております。
なかでも、くし型電極は今後の技術発展においてさまざまな分野でお役立ちできるアイテムと
考えており、技術開発を積極的に進めています。

①くし型電極の概要:

くし型電極(くしがたでんきょく)は、その名前が示す通り、くしの歯のような形状を持つ電極です。
微小な電極を2つ対向させて配置したもので、特殊な形状により高感度な電気化学測定が可能です。
主に生体信号の測定や刺激に使用される医療用電極として知られていますが、他の用途にも広く使用されています。

②くし型電極の特徴

歯の配置

くし型電極には、一方の側に突き出た「歯」が複数個並んでいることが一般的です。これらの歯は電極が接触する対象となる生体組織や物質に配置され、電気的信号の取得または送信に使用されます。

間隔

くし型電極の歯と歯の間隔は一定になっていることが多いです。この間隔は通常、電気的信号の測定や刺激に最適な形状と配置で設計されます。当社ではL/S(Line&Space:ラインアンドスペース)と表記します。

接地

くし型電極は通常、一端が電子機器に接続され、もう一端が対象の生体組織や物質に接触します。この接地部分は通常、導電性材料でできており、信号の伝達を確保します。

サイズ

くし型電極のサイズや歯の数は、特定の用途や装置に合わせて異なることがあります。一般的に、歯の数が多いほど、精密な信号の取得や刺激が可能です。

くし型電極は、生体信号の記録や刺激に特に適しており、医療機器や研究用装置で広く使用されています。
形状やデザインは、特定のアプリケーションや研究目的に合わせて変更されることがあります。

もちろん当社ではカスタムメイドでの加工も可能ですし、初期評価用に在庫品も準備しています。
是非ご利用ください。

③くし型電極の応用分野:

くし型電極はその特有の形状と性質から、さまざまな分野で幅広く利用されています。
以下に、くし型電極の主な利用分野をいくつか挙げてみます:

生体医学

脳波(EEG)、筋電図(EMG)、心電図(ECG)などの生体信号の測定や記録に使用されます。
神経細胞の活動を記録するために、神経科学の研究で広く使用されています。

神経工学

脳-コンピューターインターフェース(BCI)や脳-機械インターフェース(BMI)の開発において、脳からの信号を取得するために使用されます。ニューロプロステーシスの開発や神経再生医療の研究にも応用されています。

医療機器

心臓ペースメーカーや脳深部刺激装置などの植込み型医療機器に使用される電極として重要です。

生体インターフェース

筋電位駆動プロセス(Myoelectric control)や脳波駆動インタフェース(Brain-Computer Interface)などの生体インターフェース技術の実現に寄与しています。

化学センシング

生体組織や液体中の化学物質の検出や測定に使用されます。薬物の検出や化学反応の解析などに応用されます。

環境モニタリング

大気中の汚染物質や水中の化学物質の検出に利用されます。環境モニタリングや品質管理に貢献します。

材料研究

電気化学的特性の評価や触媒活性の研究に使用されます。新しい材料の設計や開発に役立ちます。

くし型電極の一般的な利用分野の一部ですが、実際にはさまざまな分野で使用されています。その高い信号感度と生体適合性から、医療や生体工学、化学センシング、環境モニタリング、材料科学などの分野で不可欠なツールとなっています。

④今後の展望

高性能化と多機能化

小型化や高感度化、高解像度化など、くし型電極の性能向上が期待されます。これにより、より正確な生体信号の測定や、より精密な神経活動の解析が可能になります。

同時に、複数の機能を組み合わせた多機能型のくし型電極が開発される可能性があります。例えば、脳波と筋電図を同時に測定するなど、複数の生体信号を同時に取得する機能が統合された電極が登場するかもしれません。

バイオインフォマティクスとの統合

生体信号の計測や解析において、バイオインフォマティクスや機械学習技術との統合が進むでしょう。大量の生体データを効果的に処理し、有用な情報を抽出するための新たな手法やアルゴリズムが開発されることが期待されます。

インプラント技術の進化

くし型電極は、脳や神経組織に埋め込まれるインプラントとして使用されることがあります。将来的には、インプラント技術の進化により、より安全かつ長期的に使用できるくし型電極が開発されるでしょう。

バイオサイバーグの発展

くし型電極は、バイオサイバーグや脳-コンピューターインターフェース(BCI)の開発にも不可欠です。将来的には、くし型電極を利用したより高度なバイオサイバーグが実用化され、人間と機械の融合が進む可能性があります。

⑤論文のご紹介

くし形電極に関するいくつかの論文をご紹介します。

1)高分子材料の誘電特性のくし形電極を用いた測定法に関する研究

この研究では、くし形電極を用いて高分子絶縁体の誘電特性を評価する手法が提案されています。
特にシリコーンゴムの表面劣化を評価するために、くし形電極とDSP損失電流計測システムを組み合わせて使用しています。
※出展:岐阜工業高等専門学校

2)くし形電極を持つ圧電素子の表面に生ずるひずみ分布の画像相関法による非接触計測と有限要素解析

この研究では、くし形電極を持つ圧電素子の表面のひずみ分布を非接触で計測する手法が提案されています。
デジタル画像相関法と有限要素解析を組み合わせて、圧電素子のひずみ特性を評価しています。
※出展:中部大学工学研究科

3)くし形電極を持つインピーダンス変化の評価

くし形電極を持つガスセンサーや圧電素子の評価において、抵抗変化だけでなく静電容量変化も測定可能となり、
評価対象を総合的に評価できることが示されています。
※出展:宇都宮大学大学院 工学研究科

くし型電極をご用命の際は、ぜひ安達新産業を宜しくお願い致します。