アルミ増反射膜について解説します。
アルミミラーは、アルミニウムを基材にして作られたミラーです。
アルミニウムの素材自体は、可視光から紫外光にかけて非常に高い反射率を持つため、
様々な光学系で広く使用されています。
反射率は波長によって異なり、可視光領域では通常90%以上の反射率を持ちますが、
赤外線領域になると反射率は少し低下する傾向があります。
一般的なアルミ増反射膜の特徴について
アルミ増反射膜(アルミニウムエンハンストコーティング)は、アルミミラーの反射率を
さらに向上させるための薄膜コーティングです。
通常、ミラー表面に薄い誘電体層を蒸着することで作られ、特定の波長帯での反射性能を最適化します。
これにより、純粋なアルミミラーよりもさらに高い反射率が得られることが多いです。
増反射膜の特徴は以下の通りです
- 高い反射率 :可視光領域や特定の波長帯で通常95%を超える反射率を達成可能です。
- カスタマイズ可能:反射率を最適化するために、異なる層や材料を調整することが可能です。
- 保護機能 :アルミニウム表面を酸化や損傷から保護する役割も果たします。
アルミミラーと増反射コーティング技術は、望遠鏡、レーザーシステム、光学機器など、
様々な場面で活用されています。
安達新産業の増反射アルミミラー成膜手法
①抵抗加熱方式での成膜
アルミ膜は、電子銃成膜での低レート成膜では反射率が低下します。
当社では、高レートでの成膜が必要なため、抵抗加熱方式を採用し、
同方式で成膜することで、より高反射・高品質なミラーを実現しています。
②誘電体膜と同じチャンバー内で成膜
誘電体膜は、材料、膜厚制御の問題等により、電子銃成膜が一般的です。
当社は、同一のチャンバー内で、抵抗加熱と電子銃の両方の機能が備わった装置を
保有している事で、抵抗加熱と電子銃の成膜が一度に出来るハイブリッド成膜が
可能な事アルミ増反射膜の作成を得意としています。
意外とこの装置を保有している蒸着メーカーは多くありません。
当社の増反射アルミミラーの特徴
①通常のアルミ膜(アルミミラー)より反射率が高い
下記のチャートが示すように、通常のアルミミラーと比較し、
高反射でのミラーを実現しています。
②誘電体ミラーよりも成膜時間が短く、コスト低減可能。
高レートの抵抗加熱方式+電子銃方式のハイブリッド成膜ゆえ
バッチあたりの成膜時間が短く、コスト低減が可能です。
③保護膜としての利用
外部の環境(酸化、湿気、摩耗)からミラーを保護するために、
保護層(増反射膜層)を追加することで、反射性能に影響を与えず、
アルミニウム層を劣化から守る役割を果たします。
④樹脂基板への成膜対応
長年の実績より、ポリカ等の樹脂基板への蒸着が対応可能です。
成膜時の温度制御を緻密に行うことで、密着性に問題がある樹脂に
対しても、高品質なアルミミラーを実現しています。
⑤当然ながら、カスタムメイド可能
波長帯域は、当然ながら、お客様ご要望に合わせてカスタムメイドが可能です。
角度依存なども踏まえて設計が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
標準在庫品もご準備していますので、検証用にぜひご利用下さい
アルミ増反射膜は、幅広い波長域で高い反射率を持つため、
精密な光学システムに不可欠な要素となっています。