偏光ビームスプリッターと無偏光ビームスプリッターの違いを徹底解説!
光学実験や光学機器でよく耳にする「ビームスプリッター」。
しかし、「偏光」という言葉が入ると、一体何が違うのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
今回は、光学実験でよく使用される「偏光ビームスプリッター」と「無偏光ビームスプリッター」の
違いについて、わかりやすく解説していきます。
ビームスプリッターとは?
そもそもビームスプリッターとは、入射した光を2つに分ける光学素子のことです。
あたかも鏡のように一部の光を反射し、残りの光を透過させます。
偏光ビームスプリッター
偏光ビームスプリッターは、入射光の偏光状態によって
光の振る舞いを変える特別なビームスプリッターです。
特徴
入射光がs偏光(電場ベクトルが入射面に対して垂直な成分)の場合、主に反射されます。
入射光がp偏光(電場ベクトルが入射面に対して平行な成分)の場合、主に透過します。
つまり、偏光状態によって、反射光と透過光の強度が大きく変化します。
仕組み
特殊な多層膜コーティングが施されており、
光の波長と偏光状態に応じて反射率と透過率が変化します。
用途
レーザー光学系、偏光計測、干渉計、イメージングシステム
無偏光ビームスプリッター
無偏光ビームスプリッターは、入射光の偏光状態に関係なく、
一定の割合で光を分割します。
特徴
入射光の偏光状態に関わらず、常に一定の割合で光を反射と透過させます。
偏光ビームスプリッターに比べて、構造がシンプルです。
仕組み
通常のビームスプリッターと同じように、部分的に金属膜や誘電体膜を蒸着することで、
反射率と透過率を調整します。
用途
干渉計、光学顕微鏡
偏光ビームスプリッターと無偏光ビームスプリッターの違いを比較
偏光ビームスプリッターと無偏光ビームスプリッターは、入射光を分割するという点では共通していますが、
偏光状態に対する反応が大きく異なります。
偏光ビームスプリッター | 無偏光ビームスプリッター | |
偏光状態との関係 | 偏光状態によって 反射率と透過率が変化 |
偏光状態に関係なく、 一定の割合で分割 |
構造 | 特殊な多層膜コーティング | 金属膜や誘電体膜 |
用途 | レーザー光学系、偏光計測など | 干渉計、光学顕微鏡など |
- 偏光ビームスプリッター: 偏光状態によって光の振る舞いを制御したい場合に利用します。
- 無偏光ビームスプリッター: 偏光状態を気にせずに、一定の割合で光を分割したい場合に利用します。
どちらのビームスプリッターを選ぶかは、実験の目的や使用する光源の偏光状態によって異なります。
今回は、偏光ビームスプリッターと無偏光ビームスプリッターの違いについて解説しました。
光学実験を行う際は、それぞれの特性を理解し、適切なビームスプリッターを選択することが重要です。
もし、より詳しい情報が必要な場合は、お気軽にご質問ください。