TEERコーティング社は、カナダ造幣局と協力し、新しいCrTiAlNコーティングを開発しました。
このコーティングは大変効果的であり、この特許取得済みの技術を造幣局にも
提供させて頂きます。
流通貨幣
この新しいコーティングは、極印寿命を未コーティング極印と比較して平均10倍、
またアークイオンプレーティングされた極印と比較して最大1.5倍改善します
TEERコーティング社のマグネトロンスパッタコーティングは、
ニッケルめっきを施した極印に、アークイオンプレーティングを行った場合よりも高い生産性があります。
■表裏使用の極印の場合、本方式でコーティングされた極印の生産性は
極印当たり700,000枚であり、アークイオンプレーティングされた極印の約1.5倍です。
■表面使用の極印の場合、生産性は極印当たり350,000枚であり、
アークイオンプレーティングされた極印と比較し約1.5倍となります。
極印寿命の向上
■アークイオンプレーティングされた極印では「極印への熱的影響」が見られますが、
スパッタコーティングされた極印では「極印への熱的影響」は見られません。
■スパッタコーティングされた極印の寿命の向上は、
スパッタコーティングプロセスにおける低温成膜によるものといえます。
その他の特徴
■コーティングされた極印仕上がりは非常に滑らかであり、
そのためコーティング後の研磨が不要です。
■硬貨品質が向上します。
■低温成膜(150℃以下)のため、極印材料の選択肢が大幅に広がります。
硬貨
マグネトロンスパッタコーティングにより、極印寿命はCrメッキと比較して、
一般的に2〜5倍向上します。
これまで、プルーフ品質硬貨の生産に用いられる極印は、
電解技術を用いた硬質Crメッキでした。
Crメッキ極印は、短い極印寿命や高磨耗性など、
多くの問題があります。
このため「スターバースト」型欠陥が引き起こされ、硬貨の品質がばらつくため、
極印の頻繁な再加工処理が必要となりました。
最も重要なことは、
新しいコーティングが再加工の必要性を最小限に抑え、
効率を飛躍的に向上させることです。
このコーティングは、高硬度で摩擦係数が小さい優れた耐摩耗性も有しており、
極印時の硬貨材料のかえり現象を低減します。
さらに、新しいコーティングは極印寿命及び特定の硬貨材料の硬貨品質を向上するように開発されています。
六価クロムを使用しない処理
マグネトロンスパッタコーティングの使用により、六価Crメッキが不要になります。
六価クロムは発がん物質であり、現在ほとんどの国で禁止または厳しく制限されています。
環境にやさしいマグネトロンスパッタコーティングに、事前に切り替えることで、生産性をおとす事なく、
よりスムーズな切り替えが可能になります。
流通貨幣およびプルーフコイン極印用に1台のコーティング装置を用いることは、
あらゆる造幣局にとって費用対効果の高い解決策です。